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活動レポート

2013年5月

2013年5月30日

原発作業員が抱える問題の勉強会について。

今日は朝日新聞の記者方からお勉強の申し込みがありました。
以前お話した記者の方からの紹介されたそうです。

取材ではあれば少し考えてしまいますが、福島原発の問題をより理解したいが為の依頼であれば断る理由はありません。

原発の問題は、むやみやたらに作業員の方にお話を聞くだけではだめなんです。
その背景にある問題を理解しなければ、本質の問題は見えてきません。

まずは勉強からという姿勢は大切です。

より良い記事を書いてもらう為、今からその勉強会が楽しみです

2013年5月28日

茨城県水戸市で講演会を行います。

活動の告知になります。
今週末土曜日に講演会をやります。
お時間のある方は覗きに来て頂けたらと思っています。

・と き:2013年6月1日 9:30開場/10:00開始
・ところ:県民文化センター分館集会室8号(茨城県水戸市にあります)
・主 催 水戸平和フォーラム
・事前お申込みやお問い合わせは heiwa.forum310@gmail.com または029(221)6811へ。

http://blog.livedoor.jp/heiwa_forum310/archives/26399921.html

2013年5月26日

ロイター通信社の方とお話しして

今日はフリーカメラマンの小原一真さんの取材を受けてきました。

あまり取材は好きではないのですが、彼の原発作業員の境遇改善の為に活動されていることに共感を持った次第です。

色々と福島原発が抱える問題について議論してきました。
沢山の作業員の方とお話し、写真という媒体を通して講演会もされているそうです。

東京、大阪といった所でやっているそうなのでお近くの方は観に行ってくれたらと思います。

http://kazumaobara.com/aboutme/index.html

2013年5月22日

今後を考える

先日講演を聞いてくださった方から応援のお電話を頂きました。

私と同世代の子を持つ親としての心配のお言葉が胸に刺さりました。

よく仕事は今なにやってるの?と聞かれます。
正直に無職です。と答えるのですが、それで心配させてしまっています。

私は今の活動をするには働いている状況だと難しいと思っています。

話を聞きたいと思った人のニーズに合わせたいからです。

自分の幸せを追えば、再就職して新しい生活を築くべきですが、生き方として自分の出来る範囲で原発事故のと向き合っていきたいのです。

正直、自分の親も生活が成り立っていない今の生活を心配しています。

東電時代の蓄えと退職金がつきるぐらいまでは、やっていこうと決めています。

自分を貫くことと、現実の生活の問題を上手くバランスをとっていきたいと思います。

応援と心配の電話を頂き、今の活動を頑張っていくだけではいけないなと

心配をおかけしないような、経済性のあることも始めないといけないですね。

2013年5月19日

タンクとサンプについて

ミニ講座3
タンクとサンプについて

タンクは皆さん知っていると思います。
有名なのは汚染水タンクですね。
主に円筒形の液体を保存する設備をいいます。

福島第一原発にあるタンクをさらっと書くと
廃液収集タンク、廃スラッジ貯蔵タンク、廃樹脂タンク、ホウ酸水タンク、軽油タンク、原油タンク、復水貯蔵タンク、純粋タンク、ろ過水タンク、LCWタンク、HCWタンク、LCW受タンク、HCW受タンク、FSTRタンク、NFSTRタンク、密封油タンク、油貯蔵タンク、窒素貯蔵タンク、硫酸タンク、苛性ソーダタンク、一鉄タンク.etcと様々なタンクがあります。

それぞれ内包する液体の違いによって命名されています。これらは系統という名で分類され、全て原子力の運営に対して必要な物です。
また、それぞれ複数のタンクに分かれていて末尾にA,B,Cといった感じで分類されます。
各号機にそれぞれありますから大変な種類と数のタンクがあることが分かって頂けたらと思います。

サンプについては皆さん、聞いたことがない名称だと思います。
基本的にタンクと似たようなものです。
違いは建屋の基本、最下部の床面に対して掘り下げられた空間を指します。
イメージとしては床に穴が掘ってある感じです。
綺麗に長方形に切り取られていますs。
これも機器ドレンサンプ、床ドレンサンプ等と分類され、発電所で発生する余剰水の最終貯蔵先となります。

分かりずらいですね。すいません。

皆さんがTVで見ている建屋の中には、タンクとサンプという物が沢山あって、それぞれの用途に応じた液体が入っていると思ってください。
それらの多くは放射性の液体です。
そして福島第一では汚染水つかった状態になっています。
それらも汚染水を汚染させている要因だと思っています。

汚染水がメルトダウンした燃料によって汚染されているだけでなく、建屋の地下空間を汚染水で満たした状態では、放射性の液体を入れたタンク、サンプが水没したままです。

これらの処理も福島原発の廃炉を考えるととても重要な問題だと思っています。

2013年5月19日

八王子講演会で頂いた質問と回答について

講演会の場で質問を紙に書いて頂きました。
時間の関係上全てにお答えすることはできませんでした。

お答えした質問を含め、全てこの場で回答したいと思います。

1.作業員の方々の体験や経験は、再稼働の是非を話す時に、取り入れられたり、政治家  へ伝えられたりしているか
1A.残念ながらそういった仕組みにはなっていません。代弁の形にはなりますが講演の場   で皆さんにお伝えさせて頂いています。

2.ストレステストとはなんですか。
2A.福島原発事故で得られた知見を元に原発が過度状態に陥らない手段を講じているか、または強化せれているかの国が関与した規制です。

3.3.11以降現場では実際にどのようなお仕事に携わっておられたのか?具体的な話をお願いします。
3A.私は原子炉を冷やす冷却水を確保する仕事と冷却水を作る設備の復旧業務に携わっていました。

4.私は大学で教えています。ある学生から「原発は政治問題だ。授業と関係ない話は不要」と言われました。この2年間いろいろな話を授業でしてきました。原発は政治問題ですか?どう思われますか?
4A.私の個人の見解ですが、国が原子力を推進してきた以上、原発は政治問題ではあります。しかし原発事故後は原発の是非は勿論、事故後の影響は個人の関心毎まで浸透しました。そういった事から言えば目を背けるというのは現実的ではないと思います。
「政治がやることだ」ではなく個人が関与していくことが重要であると思います。

5.吉川さんはなぜ東電を辞められたのですか?
5A.複合的な要因があるのですが、どうしても我慢ならなかったのが真実が一般の方に伝わらない、それによって苦しむ人が沢山いる。なのに自分は守られた生活を送っている。それが辛かったです。辞めてしまえば自由に発言できるし真実を伝えることができる、あわよくば改善できるのではないかといった思いから退職しました。

6.吉川さん、恐らく被ばくされたと思いますがそれに対する補償はどうなっていますか?
6A.補償ではなく危険手当という名目で給与を頂きました。あくまで震災前の基準ですから線量によって違うのですが1日200円または防護服を着た場合1日1000円頂きました。

7.作業の時の被ばく防御はどんな対策ですか?
7A.基本的な線源から距離をとる、作業時間を短くする、内部被ばくを防ぐためにマスクをするといった対策です。物理的にシャットアウトする対策はありません。

8.優秀な人材の活用、東京の私達ができる応援アドバイスをお願いします。
8A.辞めていく方々の多くは社会的バッシングに耐えられなかったり、家族に被害がおよんだり、単純に労働環境に対して対価に合わない給与だったりします。それらの殆どは誤った情報による批判や社会的に低評価が起因しています。正しく情報を仕入れ正しく批判もしくは評価して頂く、そしてそういった考えを廻りの人達に浸透して頂けたらと思います。

9.東電社員と作業員との現場の関係は?
9A.信じて頂きたいのは良好であることです。社員の多くは作業員の方々がいて自分達の仕事が支えられていると考えています。

10.東電社員は作業員の労務条件、給与を知っているか?
10A.家族や友人が作業員というケースが多いですから当然知っています。作業員の方々のご苦労に対して給与が見合っていないことも知っています。そしてそれを改善することが出来ないことに大変申し訳なく思っています。

11.東電による作業員の労務管理をどうみているのか?
11A.私個人は東電の労務管理は大変高い水準だと思っております。守られないケースについては本来あるべき信頼関係が、築けていないケースが当てはまると思っています。

12.東電学園では「原子力安全神話」で洗脳されますか?
12A.そういった事はありません。

13.被ばく量(事故での)はどの位ですか?
13A.私は最初の混乱期には線量計を持っていなかったので正確な数値は不明です。
    福島第二原発にいましたので、それほどは被ばくしていないと思っています。

14.将来、原発研究者、技術者、作業員、電力社員はいなくなりませんか?
14A.それが一番の心配です。今のままの状況ではどんどん経験者、技術力を持った人間が減っていくと思います。

15.原発震災の被害を都会と地方の対立にすり替えようという原子力村の思惑を感じます。現場で働く人の給料のピンはねなど東電、ゼネコンの企業体質についていかがでしょうか?
15A.原子力村の陰謀のような考えは私は分かりません。しかしそのように取られてしまう体質は改善するべきだと思います。ピンはねの問題ですが、これは日本の産業が抱える問題でもあります。下請け構造がない産業など存在しません。大変大きな国をも変える改革が必要です。問題となるピンはねは危険手当に関する部分だと思います。これはすぐにでも国から直接労働者へ払うような仕組みを作るべきだと思います。

皆さんから頂いたこういった質問に応えていくことで、皆さんが抱える疑問の払拭や誤った考えを是正できればと思っています。

2013年5月17日

弁とコンプレッサーについて

ミニ講座 第2回
弁とコンプレッサーについて

発電所には大小様々な弁があります。大きさだけでは駆動方法が違ったりします。

弁なんて皆さん馴染みがないと思います。
家庭では蛇口も弁と考えていいと思います。また、ガスコンロの元にもコック弁というものがついています。

弁とは簡単に言えば流体を遮る仕切りという感じですかね。

弁の構造の違いによりますが通常役割としては「仕切る」もしくは「調整する」というものになります。

弁を大きく分けると仕切り弁、調整弁に分けられます。
そしてそれを行う弁の構造の違いにおいて下記のパターンに分かれます。

手動弁:文字通り人の力で開閉するもの。
AO弁:空気の力で開閉するもの。空気が供給されない状態ではバネの力で開もしくは閉の状態にある。つまり空気でバネの力を押し切り開もしくは閉の状態にする。
電磁弁:駆動部の中に電磁コイルが入っていて電気が流れることで電磁力を発生させ、開閉させる。
MO弁:モーターが駆動部と連結されており、モーターを回して開閉させる。

発電所の中にはこれら弁が複雑に設置されています。
正しい数を数えた事はありませんが恐らく1プラントで何千という数になるはずです。

これら弁は制御盤と呼ばれる操作盤より通常遠隔操作されます。
その盤には開は赤ランプ、閉は緑ランプで表示されるようになっています。

ここでコンプレッサーの話をしたいと思います。
通常制御に使われるのはAO弁と呼ばれるタイプの物です。
これは空気が駆動源ですから、各号機にコンプレッサーが設置されています。
通常IAコンプレッサーというものを使います。
一日中、動いていて常にプラント全体に空気がいきわたるようになっています。

実はこれかなり重要設備です。
これが止まると弁が操作できなくなるのですから大変な騒ぎです。
原発事故の際には電源がなくなった為、このコンプレッサーが使えなくなりました。

私は毎日のように自転車の空気入れで弁を無理やり開けたり閉めたりしていた記憶があります。

ですから、IAコンプレッサーはA,B,Cの3基ありまた予備としてSAコンプレッサーが3基あります。
各建屋にありますので、融通できるようになっています。
通常時であれば、コンプレッサーがないということはまず起こりません。

今回はですね。
弁が沢山あるんだなぁーって事と駆動源が電力もしくは空気のタイプの物がある。
そうなるとコンプレッサーや電源設備ってすごく重要な物だって分かって貰えればと思います

2013年5月17日

福島原発の電源について。

前回原子力の設備について紹介すると告知しましたので
さっそく第1回をさせて頂きます。

巷では原発の再稼働のお話がでていますね。
皆さんは活断層の上に原子炉設備を作っちゃいけないというのは知ったと思います。
さて、原発事故を体験した身として今回ご紹介したい設備は電源設備です。

電源設備の重要性からご紹介します。
通常原子力発電所が動いている場合は、自分で発電した電気を元に設備を動かしています。
所内電源と呼びます。
また、外部から送電線を介して供給される電源を外部電源といいます。
そして非常時に電源を供給する非常用電源があります。

大別すると3種類あることになります。
1.所内電源
2.外部電源
3.非常用電源
です。

さて、大飯原発を除き全国の原発は停止中ですから「所内電源」はなくなり、外部電源と非常用電源で原子力の安全を保つことになります。

今回の震災で私達が教訓としてしった事が巨大地震が発生しある条件かでは、外部電源と非常用電源が機能しないということです。

外部電源は発電所の敷地外の送電線から供給されます。
福島第一ではその送電線の鉄塔が一部倒壊しました。
また、福島第一と福島第二に供給する変電所はめちゃくちゃになりました。

非常用電源ですが、これは直流電源(バッテリーです。)と非常用ディーゼル発電機になります。これらが津波により被災し機能しませんでした。
どちらも地下に設置されていた為です。地下に設置した理由は耐震強度を持たせる為です。

これらの抜本的解決はどこの発電所でも達成できていません。

因みに発電所に必要な電源は6900Vの特別高圧です。
これを480Vに落とし、最終的には120Vの低圧にして使用します。

直流電源は交流に変換し使用します。これは120Vですので主に制御用電源です。
制御盤とよばれる操作盤の電源に使用します。

原発の安全性を考えた時にこの電源が最重要だと思います。

2013年5月17日

東京、北野市で原発関連イベントを行います。

5/18(土)
北野市民ホールにて後藤政志さんといっしょにイベントをやります。
イベント名は「安全な原発ってあるのか?」です。
原発の安全性を問うイベントです。

私の方は既に「吉川さんのお好きなように喋っていい」との了解を得ていますので
作業員の方々の問題や原発避難生活をされている方のお話をしてきます。

当日は講演が終わっても私暇なので16:00頃には八王子でぼっちなので
是非福島原発問題に興味のある方はいらしてください。

http://843koza.info/doku.php

2013年5月16日

熱中症対策が始まります。

大分温かい日が続くようになりました。

そろそろ本格的に福島原発では熱中症の対策が始まります。

熱中症というと夏のイメージですが、実は5月くらいから発生しやすくなってきます。

特に福島第一原発ですと、装備が厳重である為熱中症のリスクは上がってしまいます。
作業服の上に防護服を着て、手袋をはめ、ゴム手袋を2重にその上にはめます。
そして全面マスクをかぶる分けですから大変辛い装備になります。

現在は福島第一原発の所内も放射線量が大分落ち着き、限られたエリアでは半面マスクが許される場所もあります。

とは言え重装備での数時間の労働は過酷です。
私もやったことがありますが、30分もすれば汗はだらだらです。

本来の原子力発電所は空調がきいていますが、現状の福島第一ではその空調も壊れたままです。
また、空調を回したとしても、誇りが舞い上がり空間線量があがってしまう為現実的ではありません。
通常空調がない作業場所とかにはスポットクーラーと呼ばれる可搬式クーラーを設置しますがそれが出来ない状況です。

気休めとしてのクールベストが熱中症対策の手段として取り入れられています。

現在休憩所を設けてたので、作業時間を短縮し体調管理をしてもらうよう作業員の方がたにお願いはしていますが、それでも熱中症は毎年必ず発生しています。

これからの季節は過剰被ばくの不安+熱中症への不安が作業員に付きまといます。

現地の方々は、今年もそれらに耐え忍び作業されるのです。

忘れないでください。

2013年5月16日

テロ対策について。

福島第二原発でテロ対策訓練が初めて行われました。
TVで見ていましたが、いやまるで映画の世界ですね。
でもこの感覚が正しいかと言えば、それは間違いなのでしょう。

新潟県にアルカイダが潜伏しているという話を在職中に聞いたことがあります。
現実としてテロは起こり得ると考えなければいけません。

万が一テロが起こった場合、津波の時のように想定外という言葉は使えないのです。
結構笑いごとではなかったりします。

ただ、私としてはテロ予備軍になりかねない原発労働者を危惧しています。
震災直後は正義感、責任感から原発労働者は高い士気のもと働いていました。

しかし現在では社会的地位も低く、場合によっては正当な給与すら貰えないケースがあります。
また、労働環境は皆さんが想像するような過酷さがあります。

私も正直在職中は心が腐りかけたのは事実です。
電力社員でも1800人程、原発作業員では3000人から4000人とも言われています。
精神的に追い詰められた方の中には、やけっぱちになる方がいないとも限りません。
また、下請けと呼ばれる作業員の方々は元々警戒区域に住んでいた方達です。
言わば、人生を台無しにされた場所で怒りをこらえながら働いているのです。

長年原子力の中枢で働いていると原子力を過度状態に陥れるにはどうすればよいか
知識的には得てしまっています。

知識を悪用すれば、取り返しのつかないことが起きてしまいます。

私が原発労働者を手厚く扱う必要があると講演しているのは、情だけではありません。
今起こり得る危機への対処を促すためでもあるのです。

銃を手にした集団が正面から襲う必要はないのです。
静かに確実にそういった事を起こすことは難しいことではありません。
正規の手続きで作業員として入域し、事を起こすだけで済んでしまいます。

正直これを書くのはためらいました。
不安をあおるだけなのかなと。
しかし重要ですし、改善できると私は思っています。

私達のこの何気ない日常は多くのモラルある原発作業員達の頑張りと我慢によって
ぎりぎりのところで保たれているといったことは認識して頂きたいと思います。

2013年5月16日

町主体の補償について。

久しぶりに「いわき市」に帰ってきました。
郵便受けに沢山の郵便物が溜まってしまいました。

私の避難元である浪江町からの郵便物でびっくりするものが・・・
なんと町の方で、町民の委託を受けてADR「和解仲介手続き」を行う為の書類が届いていたのです。

これは原発事故による被害者への慰謝料の増額を求めるものです。

全国の方は、原発事故被害者の方々が多額の(遊んで暮らせるような意味での)補償を
受けていると思っている方がほとんどだと思います。

実質は精神的補償として月10万円と家財の補償という形で450万ほどの補償をもらっているに過ぎません。
原発事故により職を失ったと東京電力が認めた場合には、当時の給与が全額補償されている方もいます。

沢山のパターンがありますが、いずれにしても事故後4年or5年までの補償となっています。

被災者の方々の多くは、その補償金で「ただ生きているだけ」とも揶揄される生活をおくっています。

人生を奪われた人達にとって1000万ほどの補償は決して多額と言えないと私は思っています。

また、土地や家屋の補償も始まりましたが、あくまで震災前の価値でしか補償されません。
固定資産税を逆算してもとめられる為、長く住んでいた人ほど雀の涙のような補償しか受けません。
逆に新築の方は、ローンと同額と考えると±0といった感じになってしまいます。

このような書類を町が住民に送ることが、国が定めた補償額が実情にマッチングしていないことを指します。
もっと簡単に言えば、なけなしの補償で苦しんでいる被災者の方々が多数いることを指しているのです。

5月の末には警戒区域が解除されます。

被災者の方々の苦しみを改善するには、どうしても政治に頼らなくてはなりません。
町が主催でこういった活動に乗り出すことを、重く捉えなければならないと思います。

数年後に町に帰っていいよと言われるでしょう。
しかし、その頃には震災から5年ほどの月日が流れます。
当然福島第一は廃炉が終わっているはずがなく、今のような状況では世界一危険な不安定な原子力発電所が間近にある生活になります。

現在震災から2年と2ヵ月、今だ原発事故の最中にいるのだなと再認識した次第です。
皆さまも決して風化されることなく、そんな問題が継続している事実を知って頂ければと思います。

2013年5月15日

新潟県、新潟市で講演を行います。

活動のご報告です。

6/29(土曜日)
15:00~17:00
住所:新潟県中央区西堀前通8-894-1 西堀ローサ内7番町
場所:まちなかステージ よろっtoローサ
TEL:025-378-1137
メール:yorottorosal@vivid.ocn.ne.jp
にて講演会を開くことになりました。

本日主催者である店長森下英矢さんと打ち合わせに行ってきました。
私が話たい内容について共感を得てくださいました。

こちら地下街のイベントスペースになります。
当然通りを歩くお客さんから丸見えの状態でやります。
どれほどの反響を頂けるか楽しみです。

お近くの方は覗きに来て頂けるとありがたいです

2013年5月15日

労災、被ばく隠しについて。

発電所での労災隠しや、被曝を少なく見せかける線量計外しの記事をよく目にします。

何故そんな事が起きるか?

それは、労災が発覚すると東電から仕事がもらえなくなるとか、規定の線量に達すると仕事が出来なくなる(東電は高線量でも工期を守らす為に無理強いする)とまことしやかに言われています。

それが正しいかというと、私は違うと言います。

私が東電時代、人身事故については起こさしてはいけない強い安全管理の意識を持っていました。
ルールで縛れる物、例えば安全帯の着用、防火措置、安全用具の着用などがあります。
これらは作業前に義務であることは伝えていますし、それに関わる費用はみていました。それでも起きてしまう時があれば、基本的に管理者である自分の責任なので徹底して自分の過失にしてきましたし、それで仕事を切ったことは14年間で一度もありません。私の廻りもそうでした。
それより、故意におこした人身事故でない場合、取引停止にできる権限は誰にもありません。都市伝説に近いです。

しかし、下請けの方々にはそれが理由で労災隠しをする人や実際に辞めさせられるケースは事実あります。

なぜか、元請け企業の勝手な采配です。元請けの企業が思いこんでいる、または面子ですね。
私から言えば、元請け企業の管理不足が招いたことを隠している低次元の話しです。

東京電力は、安全管理には無限に金を出します。
それは国に怒られるから。
例えば、階段を踏み外した人身事故があった時、発電所内のほぼ全てに滑り止めの塗装をしたり、アホだと思いますが、段差という段差に手張りでトラテープを張ったりします。頭をぶつける高さに突起がある時は、何千万もかけて設備改造をしたことも。

しかし、これらは現場から素直に言ってくれないとやらないのも、東京電力らしいところです。

労災があった時は、次の安全の為に言って欲しいくらいなんです。

分かって欲しいのは、安全に関しては高い改善意識があり、労災が起きた事で仕事を切ったりはしないということです。

現場で、危険な場合は上にあげて欲しいと思います。
下請けの方が元請けに言えないのであれば、直接社員に訴えて頂きたいのです。

また、高線量の問題も正直に言って頂きたいのです。
実は工事の発注の段階では線量に対して予測で設計しています。
実際に現場に行ったら、当初の設計(工法、危険手当、防護対策、人工)では合わない場合は多々あります。
その場合、完全に社員の落ち度ですし、社内のマニュアルでも設計変更という仕事のやり方が確立されています。
この場合、当初の計画より金銭的にもアップしますし、これによる工期の変更も認められています。
この権限は、現場担当者の権限が著しく高くなっています。いわば現場第一主義ですね。しかも簡略化され、手続きを行うパソコン操作は30分もかかりません。

社員は、ちょっと仕事が増えますが現場の方々にとっては確実に安全に余裕を持てるのですから、これも素直に出来ませんが重要です。

私はこの問題はお互いに信頼関係を築いていない事が大きいと思います。

東京電力は天狗になってはいけません。現場の話しを聞きにいくのが重要です。
どうせ現場にいても、技術力は下請けの方々にはかなわないのですから。

よりやり易く、安全に余裕を持たせてあげる配慮が必用です。

そして、現場の方々も正直に苦労、悩みを社員に話してください。
現地の社員達は必ず対処します。
内心は馬鹿にしててもいいんです。
お前のずさんな現場管理や設計のせいで、大変な目にあってるんだくらい言っても大丈夫です。

社員が私情で下請けの人達をどうにか出来る方法も権限もありませんから。

逆に社員の不正を告発することを会社としては励行してますし、制度まであります。

セクハラ、パワハラで処分される社員もいましたよ。

14年の会社生活で学んだことは、東京電力は沢山の作業員の方々で成り立っているということです。

単に労災隠しや線量偽装のニュースだけでは事実は伝わりません。

この問題無くすのは簡単
社員は作業員の辛さ苛酷さを正しく認識し、現場の改善に繋げること。
作業員の方々は、素直に社員に伝えること。この素直には怒りも含みます。

それだけで簡単に防げます。

実際に私は防いできました。

変えましょう!
絶対できます!